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ゴンフューズ [青赤喜怒「哀」楽]

あれから数日が経過したが、まだ釈然としない。経験則上このココロの混線が解消するまで最低でも一週間を要することを知っている。結果的に「相対取引」となった移籍。東京と鳥栖の新旧守護神対決は、両者が背負う同じ背番号を暗示するようなスコアで終わった。馬券だったら確実に買っていた組合せだ。

それにしても不思議な試合だった。スタジアムの至るところで波長が乱れているようだった。事態が発生してから行動を起こすまでの微妙な「時差」が気になった主審も、歪んだ空間を演出する一人だった。何処か遥か遠いところで笛を吹いていたのだろうか。前半のロスタイムはそこに置き忘れたのだろうか。

思い描いていたものとは少し構図が違ったが、権田修一が飛田給への帰還を果たした。体調と体調以外の多くを崩してしまった彼が、ここまでの回復を遂げたことを素直に嬉しく思う。ブーイングの大多数には愛と優しさが込められていたのではないかと解釈している。隣人の感情は隣人にしかわからないけど。

それでも、執拗に浴びせられたブーイングは、少なからず権田のハートに震動として伝わったのではなかろうか。二度に渡る致命的なミスで一時は鳥栖の敗戦を決定づけてしまった(そう、あの流れ、あの時間帯での3-1というスコアは、白または黒いずれかの石でほぼほぼ埋め尽くされた碁盤のようなものだ)。

想像という行為には幾ばくかの治癒的効能が含まれる。とても受け入れががががが(失礼、iPhoneにコイツをNGワード登録していたのを忘れておりました)とても受容できない破茶滅茶な同点劇だったが、権田の立場で考えると「こうなる以外なかった」結末だったのではと思いを巡らせるわけである。

あのまま試合に敗れていたら。万が一逆転勝利を収めていたら。権田は南北両方のスタンドに向かって挨拶ができただろうか。過去に踏ん切りをつけて未来へ歩みを進めるキッカケを作れただろうか。おそらくは一方のスタンドから、より攻撃性の強いメッセージが権田に向けて発されていたのではなかろうか。

権田は強い。権田は脆い。陰陽すべてをさらけ出して去る権田を壊さぬために、離別の儀式を成立させるために、何かの力が働き、何かの波長が乱れたのだとすれば。「四月馬鹿」の極みのような出来事を振り返るにあたり、僕はこんな整理しかできない。エイプリルフールに生じた混乱は依然収まっていない。



タグ:権田修一
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