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思い焦がれて [青赤喜怒「哀」楽]

専門紙・誌の枠を越えて、久保建英の動向が大きく報じられるようになってきた。動向といっても信憑性の乏しい「関係者によると」が軸となる伝聞調のさくぶん(他意あっての平仮名表記である)が主である。知名度の高い欧州ビッグクラブの名を嬉々と並べ連ね「至宝」の「限りない可能性」を書き立てる。

大多数を占める「部外者」にとって適度に踊り騒ぐにはもってこいのネタであろうが、獲られてしまう「当事者」側からするとたまったものではない。プロ意識・ジャーナリズム精神とは縁遠い無責任な文面に唾を吐き(それでも膨張する不安を打ち消すことはできぬまま)彼自身が発した言葉に救いを求める。

『FC東京の代表としてしっかり悔いのないように戦ってきたいと思います』退団を決意した選手が発するコメントとは思えない。「戦ってきたい」という表現も解釈を拡げると、一戦交えた後の帰還まで視野に入れての決意と受け取れる。思春期の恋愛感情にも似た感覚で、花びらを一枚、また一枚と千切る。

大分戦の幕引きとなった「ロングパット」を思い出す。転がり始めた球体が望まれる地点に到達するまでの数秒間、脳裏をよぎったメッセージ。答えを急いでも仕方がない、やがて与えられる結論を受け容れるほかない。18歳の誕生日を迎えた渦中の青年は豊田、宮城、そして南米へ。焦れる六月になりそうだ。




タグ:久保建英
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