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ヒロスエ大地に立つ [U遺伝子を継ぐ者]

大きなGKを見慣れたせいか、その身体はどことなく小さく見えた。猫背(好意的に書くなら前傾姿勢)がそれに拍車をかけていた。無論、サイズだけで評価が決まるポジションではない。正確なキックに精悍なマスク、特筆すべき二つの武器を引っさげてのプロデビュー、廣末陸である。舞台はJ3、西が丘。

前後半で観戦する席を移動して、常時その蹴りの弾道を観察できるようにした。いくつかの蹴り分けパターンがあるなかで、直線的な中弾道が特に目を引いた。技術に裏づけられた意図を感じさせるボールの動きは、実にスマート。5番ウッドあたりでこんなショットが打てたらなと、違う芝生を思い浮かべた。

ピッチ脇では川口能活が身体を動かしながら試合の行末を見守る。長きに渡りナショナルチームのゴールを守ったヨシカツの領域まで、果たしてリクは辿り着けるだろうか。漂わせるスター性は申し分なし(プロとしてとても大切なことだと思う)。自身の成長曲線すらをも、自らの狙い通りに描けるだろうか。

U-23を応援する行為は、競馬でいうところのPOG(ペーパーオーナーゲーム)に通ずる楽しみも内包する。下部組織(U-15/18)から見守る人々にとっては、息子たちが夢舞台に立つ直前のステージで奮闘する姿を参観する場でもある。この日のスタンドでも岡庭愁人の母だけで3名ほど遭遇した。

廣末陸の父母、兄弟姉妹、設定はなんでも構わない。「I was there」輝かしきリクの二度とないデビューの場に居合わせたと、胸を張って自慢できる日が来ると信じたい。その権利を有するのは主催者発表で2020人ということだ。東京五輪に向けて、何やらメッセージ性のある数字ではないか。




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