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WONDER 4 [青赤喜怒哀「楽」]

ホーム最終戦の後、調布駅前の串焼き屋で杯に重ねて交わす言葉の数々は、総じてポジティブに響くものだった。浦和は相変わらず忌まわしき赤壁であり続け、川崎はよもやの大敗を喫しゲームのハードルを上げてくれた。そんな状況にも関わらず、僕たちは笑顔を絶やさず極めて楽観的な持論を交わし続けた。

思い思いに各々が脳裏に描くシナリオを披露し合った。得点者と時間帯の組合せはまちまちなれど、提示される二つの変数の差は一致していた。それは数学と表現するにはおこがましい義務教育初期の算数課題。皆が「4」という魔法の数字を生み出すための単純な引き算を、無邪気に膨らませて楽しんでいた。

誰の目にも明確になった目標物の輪郭。駆け引きの一切を必要としない舞台設定が、ある種の爽快感を伴う闘志を掻き立てる。達成すれば間違いなく日本サッカー史に長く、深く刻まれる「偉業」となろう。失うものは何もない。それが実現したらどれだけ素晴らしいか、考えるだけで心の芯が熱を帯びてくる。

最後の一週間で感じたのは、そこかしこで溢れ出る無条件のクラブ愛。青赤旗の下に集いし者たちよ、笑顔の裏に覚悟を秘め、いざ雪舞う横浜の地へ乗り込まん。1点目で風が吹き、2点目で地が響く。3点目で雲が轟き、4点目で天が哭く。人間が想像できることは、人間が必ず実現できる。栄光は、我らに。
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これといった恨みはないけれど [青赤喜怒哀「楽」]

10年ぶりのフルマラソン、10年前のフィニッシュタイムを32キロ地点で迎えた。ゴール地点(清水駅)までのラスト10キロは、給水所に置かれた美味なるイチゴだけを楽しみに、ヨロヨロと走り、ときに歩いた。強い日差しに苦しんだ終盤、背後から声をかけてくれたのは長崎を応援しているという男性だった。

無事是名馬を絵に描いたような、とても素晴らしい選手です。徳永悠平について問われたのでこう回答した。奥様が綺麗で子沢山でといった周辺情報を付け加える余裕はなかった(一番苦しい35キロ付近だったのだ)。僕はまさにその鉄人のネームと背番号がプリントされたレプリカを着てレースに臨んでいた。

静岡マラソンから一ヶ月が過ぎた。あの長崎サポーター氏の目に彼はどのように映っているだろうか。互いに重ねた歴史は浅く、これといった敵(かたき)はないはずだ。江戸側として特に討たれる理由はないので、今回は金利・手数料に加え勝点3もしっかりご負担頂く。今日は勝つ、マラソンは負けたけど。


タグ:徳永悠平
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キモチノセイリ [青赤喜怒哀「楽」]

東慶悟がもたらした歓喜は、数分と続かなかった。洗車すると雨が降るように、家を買うと転勤辞令が出るように、ネットを揺らすと程なく反対側のネットも揺れる。経験知に基づいた警戒心を最高レヴェルまで高めたものの、悪しきジンクスは清々しいほど堂々と、悪びれる様子もなく僕たちの眼前に現れた。

それでもさらなる失点を重ねず、試合を締めることができたと整理したい。膨らませた風船を宙に放つわけでもなく、パンと割り潰されるわけでもなく。静かにガスを抜き、次に備えよう。極めて現実的な勝点ひとつ。まずは一歩、前進することができたのだと。喜怒哀楽を揺さぶられる日々が、再び始まった。


タグ:東慶悟
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