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不動心 [シゴトよりも東京]

メンバーリストから長谷川健太監督の強い意志が伝わってきた。水曜のカップ戦に「落とさず」臨み、青髪の永井謙佑が頭で奪い取った1点を守り抜いた。複数得点の機会を逸したとの見方もできようが、不安を煽る気流の変化が生じていた飛田給の地で、最低限得るべき勝利という結果を残せたことは大きい。

別離の一秒後から、去りし者への熱度は急落する。長友佑都のときも、武藤嘉紀のときもそうだった。ただしエネルギーが欠損するわけではなく、むしろ危機感や焦燥感といった増熱剤が添加され、青と赤の情念は反動的に燃え上がる。一万に遠く届かない観客数、そのぶん濃度の高い声援がピッチに注がれた。

同床異夢を繰り返す、美しくも儚き恋絵巻。舞台脇の傍観者かもしれないが、移籍も引退もなく、クラブとの永続的共生を許されし者の恍惚と矜持の二つ我にあり。久保建英との昨日よりも矢島輝一との明日。いずれ訪れる別れの時まで、無償の支援を心に誓おう。男たちが疑いなき忠誠心を示す限りにおいて。



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different worlds [青赤喜怒「哀」楽]

喧騒の裏側で、事態は着実に進展していたようだ。本件に関心を示す民衆の大多数にとっておそらく望ましい方向へ、僕、そして僕と同じく森羅万象の最上層に青赤を位置させる人々にとってはその逆へ。数か月前には想像できなかった果てしなき喪失の予感。久保建英のいない夏が、梅雨空の先で待ち構える。

欧州移籍する暁には、そのクラブのレプリカユニフォームを購入しようと密かに考えていたが、この計画は完全に消失した。パトリック・クライファートの周りを「エル・コネホ」ハビエル・サビオラがちょこまかと走り回っていた時分より、ブラウグラナを追い続ける身には、さらに複雑なメレンゲの気持ち。



タグ:久保建英
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思い焦がれて [青赤喜怒「哀」楽]

専門紙・誌の枠を越えて、久保建英の動向が大きく報じられるようになってきた。動向といっても信憑性の乏しい「関係者によると」が軸となる伝聞調のさくぶん(他意あっての平仮名表記である)が主である。知名度の高い欧州ビッグクラブの名を嬉々と並べ連ね「至宝」の「限りない可能性」を書き立てる。

大多数を占める「部外者」にとって適度に踊り騒ぐにはもってこいのネタであろうが、獲られてしまう「当事者」側からするとたまったものではない。プロ意識・ジャーナリズム精神とは縁遠い無責任な文面に唾を吐き(それでも膨張する不安を打ち消すことはできぬまま)彼自身が発した言葉に救いを求める。

『FC東京の代表としてしっかり悔いのないように戦ってきたいと思います』退団を決意した選手が発するコメントとは思えない。「戦ってきたい」という表現も解釈を拡げると、一戦交えた後の帰還まで視野に入れての決意と受け取れる。思春期の恋愛感情にも似た感覚で、花びらを一枚、また一枚と千切る。

大分戦の幕引きとなった「ロングパット」を思い出す。転がり始めた球体が望まれる地点に到達するまでの数秒間、脳裏をよぎったメッセージ。答えを急いでも仕方がない、やがて与えられる結論を受け容れるほかない。18歳の誕生日を迎えた渦中の青年は豊田、宮城、そして南米へ。焦れる六月になりそうだ。




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