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再燃の気配 [青赤「喜」怒哀楽]

試合中に味の素スタジアム内を「散歩」している間に東京が得点する、そんな局地的なジンクスが生まれていた。恵まれた環境が人を貪欲にするのであろうか、首位広島に2点のリードを奪っただけに飽き足らず、この日もさらなる快楽を貪らんと、我が身をふらりとゴール裏からバックスタンド方向へ移した。

ルーカス・コーナー。勝手にそう命名した49番柱付近で、平時より角度をつけて両軍の攻防を見守る。ディエゴ・オリヴェイラ(嗚呼、いったいどこまで素晴らしい外国人FWなのだろう)が強さと速さで奪った3点目、バーを叩いたボールが鋭角に弾き飛ばされた様子を真正面から視認した。ジンクス、健在。

扇状に広がるゴール裏の両端まで、そしてバックスタンドの中央部に至るまで、声援と手拍子の波が届いていた。勝利こそが最大のファンサービスであり、観客動員策。サポーター仲間の言葉を改めて噛み締める。平日夜のスタジアム、純度高い声援が心地好く、さらなる強さを伴って夜空へ拡散されていった。


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これといった恨みはないけれど [青赤喜怒哀「楽」]

10年ぶりのフルマラソン、10年前のフィニッシュタイムを32キロ地点で迎えた。ゴール地点(清水駅)までのラスト10キロは、給水所に置かれた美味なるイチゴだけを楽しみに、ヨロヨロと走り、ときに歩いた。強い日差しに苦しんだ終盤、背後から声をかけてくれたのは長崎を応援しているという男性だった。

無事是名馬を絵に描いたような、とても素晴らしい選手です。徳永悠平について問われたのでこう回答した。奥様が綺麗で子沢山でといった周辺情報を付け加える余裕はなかった(一番苦しい35キロ付近だったのだ)。僕はまさにその鉄人のネームと背番号がプリントされたレプリカを着てレースに臨んでいた。

静岡マラソンから一ヶ月が過ぎた。あの長崎サポーター氏の目に彼はどのように映っているだろうか。互いに重ねた歴史は浅く、これといった敵(かたき)はないはずだ。江戸側として特に討たれる理由はないので、今回は金利・手数料に加え勝点3もしっかりご負担頂く。今日は勝つ、マラソンは負けたけど。


タグ:徳永悠平
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MIST [青赤「喜」怒哀楽]

スコアを同点とされた直後も、そこから発される「気」が減退することはなかった。久々に勝利という果実の味を思い出した支援者たちは、変わらず身体を揺らし、声援を送った。あるべき状況が戻ってきた、そう感じた。干からびて、ひび割れたゴール裏を、ウエットな感情が霧吹きされるように薄く包んだ。

そんな空気が伝播したか、ピッチでも明らかな変化が。ディエゴ・オリヴェイラが頭で放つ一撃。ピンボールのように勢いよく跳ね返ったボールが相手を突き放し、僕たちは失い続けた自信をまた少し取り戻した。しかし干天の慈雨は瞬く間に乾地へ吸われる。まだまだ渇いている、さらなる潤いを欲している。


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