SSブログ

ウタカに乗った少年 [青赤「喜」怒哀楽]

あまり見ない少し洒落たカフェを過ぎると、あまり見ない少し洒落たハンバーガーショップがあった。プライベートでも滅多に来ることのない(来る理由のない)骨董通りを歩く。時間は水曜22時、状況としては接待会食後の二次会が終わったところ。お客さまと別れ、さあ内輪のメンバーでどうしようかと。

「眼球をわしづかみにされる」そんな喩えが思い浮かんだ。iPhoneの液晶画面にはあまり見ない少し洒落たスコアが映し出されていた。ゴメンちょっとクラっときたから帰るわ。まだ目眩(めまい)が治らないのかと心配する同僚に詫びて、銀座線の駅へ急いだ。そう、クラクラっときたのよ、「6」に。

渋谷で京王井の頭線へ乗り継ぎ、明大前で降りる。単身仮住まい、録画機器を持たない僕が深夜に転がり込めるのはココしかない。「LIVRE(リブリ)」のマスター(not DAZN but ZONO)さんには事前にメールでワガママを伝え、受諾頂いていた。全ゴール見たい、でも終電で帰りたい。

客がある程度はけた後でも、店内には熱気が残っていた。吉祥寺行きの終電時間を鑑み、前半ハイライトからディレイ放映を始めて頂いた。息つく間もなく好機が作られ(そりゃそうだハイライトだもの)阿部拓馬の先制ゴールが生まれる。拳を握り喝采を上げる、のは僕だけ。一人を除いてすでに満腹だった。

その男の登場からパーティーはさらに加速してゆく。PKを譲り受けた後の笑顔、仲間の得点を祝する笑顔。丸い顔がいっそう丸みを帯び、観てるこちらまで幸せにしてくれる。中島翔哉を背中にちょこんと乗せるシーンは、友情の大切さをテーマに制作された、子供向けムービーから切り出されたようだった。

大型補強の陰と陽。怒れる狙撃手とは対極に位置する、笑うアフリカン。ピーター・ウタカの口は聞かされていた以上に大きく、両脚は思っていた以上に細く長かった。その笑顔の渦は大久保嘉人をも飲み込み、想像もつかない化学反応を生み出すか。口の中を覗いてみたい。答えが書いてありそうな気がする。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。